リアリティのダンスで答え合わせ

2014年10月09日 20:45



おすぎです!

先日リアリティのダンスを見てきた。監督のホドロフスキーは私が一番好きな映画を作った人で、
23年ぶりの新作。しかも私は今までの映画は劇場で見れていないので、
(先日見たDUNEはドキュメンタリーだしね)
大画面のホドロフスキー映画に胸が躍るのだった。

感想は素晴らしかった。

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ただのんきに構えていると怪我をする。
私はある程度ホドロフスキー映画のショッキングな映像には
慣れていたのだが、物語の内容に大きなやけどの跡をつけられた感覚で
今でもひりひりと胸の奥が痛む。

今回のリアリティのダンスはホドロフスキーの少年時代の自伝のような映画だ。

今から見る人のために、大きなネタバレは控えるが
所々にちりばめられたホドロフスキー映画のルーツをみるようなエピソード。

今まで別の映画で見た、奇特なエピソードも
ホドロフスキー自身の少年時代の実体験から来ていると思うと、
驚きと共に胸が痛い。

たとえば「サンタサングレ」という映画の中で、
主人公の青年が透明人間になりたいと、
できもしない「透明人間の薬」をつくろうと
必死になるエピソードがあるのだが、
今作の「リアリティのダンス」では、
ロシア系ユダヤ人として虐めを受けた少年が、
母親に相談すると、

「透明人間になりなさい。空気になれば誰もあなたにきづかない。」

といったような事を言って少年を諭す。

自伝とはいえ、脚色はしているのだろうが、
この少年期の体験がサンタサングレの

「透明人間になりたい男の像」

を作り出したのかと思うととても切ない。

他にも少年が自殺をしようとしたときに、現代のホドロフスキーが
そっと後ろから少年を抱きしめて、

「今はその時じゃない。苦しみに感謝しなさい。そのおかげでいつかわたしになる。」

という風な事をいってまた涙した。

軍事政権下のチリですごした少年
威圧的な父と
自身の父の生まれ変わりとして子供を愛した母
捻じ曲がった愛情の中、悪夢のような世界。
最後はそんな家族の再生を描く。

ホドロフスキーは今までの映画で
自身の受けたトラウマのようなものを
芸術をつかって昇華させてきたんではないかと思った。

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なのでこの映画はそれの答え合わせのようにも思える。
そして何故か絶望だらけの中に、リアルな生や、
希望というものが感じられるので、
決して暗い映画ではない。
むしろコミカルな部分も多い。

それにくわえて、ホドロフスキーここにありといった
映像や音楽が加わり、泣けて泣けてしょうがなかったなー。

どの場面をきりとってもかっこいい映像だった。

しかし今までもその映像の芸術のために
結構動物を無残にあつかっていて、
今回もそんなシーンがあったのできになっていたけど、
最後のクレジットに

「一切の動物虐待はおこなっていません。」

と書いてあったらしく、ちょっとホッとした。

しかしこの映画、
ホドロフスキーの息子が3人もでている(笑)
音楽も息子、デザインも奥さん!どんだけー!

しかしそこらへんの俳優よりいい。
っていうか他の人では演じられない感じがする。
それも含めてラブです。

いまからDVDで見る人は、
前作をみてからみるのをおすすめします!
あーDVDでたら買おう。



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